【新学期準備】学級の係・委員会担当おすすめの決め方について(生徒用アンケート付き)
年度初め、必ずやることの1つに「学級組織づくり」があります。
先生方はどのようにして係や委員会の担当生徒を決めていますか?
希望生徒同士のじゃんけんで決めるというのも、ちょっとしたゲーム感覚でワイワイ楽しく決められるのでアリですが
私の場合はあえて担任選出方式で担当生徒を決めています。
それは、私自身が適材適所の考え方を基本とした「根拠を持った学級組織づくり」を大切にしているからです。
- なぜ担任が担当生徒を決めるの?
- どうやって決めているの?
- そうすることのメリットって何?
など、もしかしたら気になる点があったかもしれません。
今回は、私があえて係や委員会の担当者を担任選出方式で決めている理由とそのやり方、メリット、注意点などについてお話したいと思います。

ボクはあみだくじで決めていたけど…。

様々な方法があるけど、根拠を持った学級組織づくりをすることで、その後の安定した学級経営につながると思うよ。
※ご紹介しますのは個人の実践に基づく見解ですので、予めご了承ください。少しでも先生方のご参考になれば幸いです。
今回の付録である【生徒用アンケート】は、PDF資料としてページ下部にご用意しました。
ぜひダウンロードしてご活用ください。

適材適所を生かした学級組織づくりのながれ

まず、係や委員会の担当者を決める際のながれについてですが
担当者をじゃんけんやくじ引きで決めない理由を丁寧に説明する
ここで説明したことは文章化し、掲示する
「全く希望が通らなかった」という事態を避けるため、アンケートは第5希望まで記入させる
STEP3の結果と生徒の特性を考慮し、適材適所に人員を配置する
このように進めていきます。
私が「担任選出方式」で決める理由としては
- 不要なトラブル防止や指導負担の軽減
- 生徒が成長するきっかけの意図的な設定
以上の2点があげられます。(次のセクションでそれぞれ詳しくご説明します)
不要なトラブル防止や指導負担の軽減
「黒板係の生徒が休み時間に遊んでいて、いつも仕事をしていない」
「給食配膳台片付け係の生徒が、表面をなでる程度の拭き掃除しかせず、結局担任が仕上げの掃除をしている」
これらは、どちらも私が新任の頃に経験したことです。
こうなると担任として当該生徒に指導しなければなりませんが、それが何度も続くのは担任だけでなく生徒にとってもストレスになります。
このような場合、例えば他クラスに仲の良い友達がいて、休み時間のたびに廊下に出ていく生徒より
休み時間は友達と教室で過ごすことの多い生徒を黒板係にすると、こうしたトラブルが減らせるだけでなく、時には周りの友達も手伝ってくれることがあります。
給食配膳台片付け係は普段清掃活動を丁寧にやる生徒を担当にすることで、担任が指導する機会を減らすことができますし、逆にその姿を認め、感謝する機会を増やすこともできます。

生徒のこうした姿は、積極的に保護者の方に伝えたいですね!
ちなみに係活動に積極的でない生徒は、その生徒と比較的親交の深い先生が担当する教科や、所属する部活動の顧問が担当する教科の連絡係を割り当てていました。
生徒が成長するきっかけの意図的な設定
担任が係や委員会の担当者を決めることで、例えば「普段あまり目立たないが、イラストを描くのが得意」という生徒に掲示物を作成する係を任せたり
「学級委員のように全体へ指示を出すことは苦手だが、周りへの気遣いがよくできる」という生徒にサポート係 (欠席者の仕事を代行したり、学級委員のサポートをしたりする係) を任せたりするなど
生徒それぞれの特性を生かした学級組織づくりをすることができます。
すると、仕事を通して生徒が自身の適性に気付くことがあるかもしれませんし、担任が生徒の仕事ぶりをクラス内で紹介することで
生徒同士が認め合い、感謝し合うきっかけをつくることにもつながります。
また、同じ係や委員会になったことで交友の輪が広がることも期待できます。
(じゃんけんやくじ引きで決めると、逆に人間関係トラブルのもとになることがありますよね)

そうした意味で、学級委員と相談して学級組織をつくるのもおすすめです!!

担任よりも生徒の特性とか人間関係をよくわかっているもんね。
※学級委員の決め方については別記事にてまとめましたので、下のリンクよりあわせてご覧ください。

生徒が納得して役割を受け入れるために

担任が生徒の役割を決めることについて、中には否定的な生徒もいます。

「大人に決められるぐらいだったら、くじ引きの方がマシ」と思っている生徒は少なくありません。
このことから私は希望アンケートを取る前に、この選抜方法を採用する理由について生徒へ丁寧に説明するようにしています。
- チーム競技のポジション決めはじゃんけんやくじ引きで決めない
- それは監督が選手それぞれの特性を考慮し、適材適所に人員を配置することでチーム力が上がるから
- クラスには「掃除が得意な人・苦手な人」、「人前で話すことが得意な人・苦手な人」、「読書が好きで本に詳しい人・絵を描くことが好きな人」など、様々な特性を持った人がいる
- だからこそチーム競技と同じように、担任が生徒それぞれの特性を考慮し、適材適所に人員を配置することで、みんなが過ごしやすいクラスづくりをしたい
- もちろん、それぞれの希望を考慮しながら決めていくが、希望通りにならないこともある
- その場合は気持ちを切り替えて、クラスのために仕事に取り組んでほしい。
以上がアンケート前に私が生徒へ話していることです。

部活とからめて話をするといいかもね。
また各係の仕事内容は、全体に向けた口頭での説明はもちろん
具体的に文章でまとめ、いつでも確認できるよう担当生徒名と共に一覧表にして掲示します。
こうすることで、誰が、いつ、何をするのかをクラスの全員で把握することができます。
※係の種類と仕事内容について別記事にまとめましたので、下のリンクよりあわせてご覧ください。

そのほか、1人の生徒に学級の係と生徒会の委員会両方を割り当てることは避け、可能な限り1人1役とし、生徒がひとつの仕事に集中できるよう配慮しています。
まとめ

ここまで、私が実践している学級の係・委員会担当の決め方についてご紹介させていただきましたが、このやり方の最も危ういところは
「普段頑張っている生徒ほど、負担が大きく、人気のない係や委員会の担当になりやすい」
という点です。
逆の生徒の場合は、そもそも負担の少ない係や委員会を希望していることがほとんどなので、担任と生徒の利害が一致して希望通りになりやすいです。
一方で、普段から真面目に係や委員会活動をしている生徒には「努力すればするほど負担が増え、希望が叶わない」と思われてしまう危険性があります。

それはなんとしても避けたいよね。
だからこそ、心配な生徒には任せる役割について事前に打診することはもちろん、普段から積極的に声をかけ
短学活時や学級通信などを通してその努力をクラス全体で共有したり
個人面談や三者面談などで本人にフィードバックしたりするとともに、学期末通信簿の行動評定などで肯定的に評価するようにします。

もちろん、係ごとに仕事量の差が生じないよう、事前に調整しておくことは大前提です。
以上のように適材適所を生かした学級組織づくりは
担当を考えたり、生徒に説明したりするなど、始めに手間はかかってしまいますが
その先数ヶ月間の指導負担を軽減し、安定した学級経営につなげることができます。
クラスの実情に応じて、導入をご検討いただければと思います。

今回は以上です!お疲れさまでしたっ!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。
※今回の付録シートは下の【PDF資料】ボタンからダウンロードしてください。
↑クリック







