指導案

【ワークシート付き】中1数学指導案:データの活用①「度数分布表」

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もんT

平均だけでは語れない。それが俺の魅力さ。

かわうそ先生

さすがっ! 教師の「外れ値」!!

※ここでご紹介させていただくものは、再現性を高め先生方の授業準備にかかる負担を軽減することを最優先に作成しておりますので、あらかじめご了承ください。

本時のワークシートはこちら

教師用と生徒用がセットになっています。

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全体像

度数分布表や代表値はすでに小学校で学習した内容ですが、忘れている生徒も多数いると想定されるためこの時間は度数分布表についてしっかり復習したいです。

よって本時は

  1. 平均値や合計値だけでは読み取れる情報に限界があることに気付く
  2. より詳しく資料の様子を読み取るためには、平均値や合計値以外の方法も使って様々な視点から資料を分析する必要があることを理解する
  3. 資料を分析する方法のひとつに、度数分布表の活用があることを知る
  4. 全体の度数が異なる資料を比較する場合、単純に度数の大小だけを比べると正しく比較できない場合があることに気付く

というステップで授業を構成します。

導入

1⃣ 復習問題(個人→周囲→一斉)

復習問題として「A組とB組の平均月収」について考えます。

平均はどちらも20万円ですが、B組は外れ値を含んだ資料です。

生徒も意見を述べやすい問題だと考えられるので、まずは個人で考え、できた人から周囲と自由に意見交換する時間をとったあと、授業者が生徒を数名ピックアップし、その生徒の考えを全体で共有します。

その際ポイントとなるのは

「平均値だけでは読み取れる情報に限界がある」

とういうことに改めて気付くことです。

また、所得格差が大きい南アフリカ共和国を例として挙げ、Google Earth の画像からその実態を視覚的に捉える場面も設けました。

※教師用ワークシートをTV等で表示すれば板書の必要がなくなります

これは下のサイトを参考にしています。

2⃣ 今日のめあて(個人or周囲→一斉)

まず今日のお題として、ある学校のA組とB組の生徒が受けた同じ数学のテストにおける得点の一覧表を提示し

「数学が得意なクラスはどっち?」 という問いについて考えます。

学習形態は復習問題と同様にまずは個人で考えても良いですし、最初から周囲と自由に意見交換しても良いと思います。

そのあとは生徒の考えを全体で共有する時間をとっても良いですが、ここはサラっと流し

「どうすればもっと比較しやすくなるだろう?」

という授業者の問いかけから、本時のめあて

「A組とB組それぞれの資料(データ)を表に整理して、比較しやすくしよう。」

に繋げていきます。

展開

3⃣ 用語の確認(一斉)

4⃣ の度数分布表を参考にしながら関連する用語とその意味を簡単に確認し、同時に資料を度数分布表に整理することのメリットについても触れておきます。

ここは授業者が講義形式で説明しても良いですし

生徒の実態に応じて授業者は説明せず、生徒自身が教科書から調べても良いです。
その場合、3⃣ と 4⃣ の活動をひとまとめにし、ここから生徒主体の活動に入ります。

生徒主体の活動の流れ

準備:模範解答として教師用ワークシートを教卓や黒板に掲示する

  1. 4~6人程度の学習班をつくる
  2. 班の中で自由に意見交換しながら各自問題を解き進める
  3. 残り時間を意識しながら各自のタイミングで模範解答を確認する
  4. 「振り返り」をする
  5. 予習や問題集に取り組みながら班で困っている人のサポートをする
  • 教科書や一人一台端末などを必要に応じて自由に活用させます。
  • 班活動に対して意欲的でない生徒がいても、他者との関わりを強制することはしません。個人でじっくり問題と向き合う姿勢も認めたいです。

4⃣ データの整理と比較(個人→周囲→一斉)

実際にA組とB組の資料を度数分布表に整理し、そのあと「A組とB組の60点以上の人数を比較するとA組の方が多いので、A組の方が得意である」という分析例について、自分の考えをまとめます。

学習形態は復習問題と同様にまずは個人で考え、できた人から周囲と自由に意見交換する時間をとったあと、授業者が生徒を数名ピックアップしてその生徒の分析例に対する考えを全体で共有します。

※度数分布表の答え合わせは授業者が数字を読み上げるだけにします。(意図的不親切

その際ポイントとなるのは

「全体の度数が異なる資料を比較する場合、単純に度数の大小だけを比べると正しく比較できない場合がある」

ということに気付くことです。

極端な例ですが、生徒数が100人のクラスと、10人のクラスで同じように比較する場合を想定すると、単純に度数の大小を比べるだけでは正しく比較できないということが理解できると思います。

また、A組はクラス内で見たときに40点未満の人数が多いことなど、平均点だけでは読み取れなかった情報があることにも注目し、度数分布表を使うことのよさを実感させたいです。

まとめ

本時の授業のポイントとして

  1. 平均値や合計値だけでは読み取れる情報に限界がある
  2. だからこそ、より詳しく資料の様子を読み取るためには、平均値や合計値以外の方法も使って様々な視点から資料を分析する必要がある
  3. その中のひとつに、資料を度数分布表に整理して分析するという方法がある
  4. ただし、全体の度数が異なる資料を比較する場合、単純に度数の大小だけを比べると正しく比較できない場合がある

以上を全体で簡単に確認します。

そして、④について

「では、全体の度数が異なる資料を比較する場合、どうすればより正確に比較することができるだろう?」

という授業者の問いかけから、次時の「相対度数」へ繋がりを持たせます。

残りの時間は各自振り返りや予習、問題集を解いて授業終了です。

もんT

おつかれさまでしたっ!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。

本時のワークシートはこちら

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