前回は与えられた式を「項だけを並べた式」になおすことについて考えたね。
今回はその「項だけを並べた式」を実際に計算していくよ。
※ここでご紹介させていただくものは、再現性を高め、先生方の授業準備にかかる負担を軽減することを最優先に作成しておりますので、あらかじめご了承ください。
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このブログを初めてご覧になられた先生は、下のリンクから私が普段大切にしている授業づくりに対する基本的な考え方も合わせてご覧いただけますと幸いです。
全体像
前時は
- 加法と減法の混じった計算について考える
- 加法・減法それぞのれの式を( )を使わずに表す方法について知る
- 加法と減法の混じった式を( )を使わずに表す方法について考える
というステップで授業を構成しました。
これを踏まえ、本時は
- 項だけを並べた式について、加法・減法それぞれの場合で計算方法を考える
- 項だけを並べた式について、加法と減法の混じった式の計算方法を考える
- 部分的に( )が使われている式の計算方法を考える
というステップで授業を構成します。
導入
1⃣ 復習問題(個人→一斉)
復習問題として前時の学習内容に関する問題を出題しています。
また、本時の学習で扱う “複数の項の和を求める計算” についても簡単に確認できるようにしました。
学習形態はまず生徒個人で考えさせ、そのあと全体で確認する流れをとります。
ここはつまずきやすい要素が多いため、丁寧に説明します。
今日のめあて
前時の授業内容と復習問題の内容から、本時のめあて
「項だけを並べた式の計算方法について考えてみよう。」
に繋げていきます。
展開
2⃣ 項だけを並べた式を計算する(班→一斉)
ここでは「項だけを並べた式」について、3つのパターンに分けて考えられるようにしました。
パターン1:加法の式
例として 3+8 という加法の式を計算します。
- この式の項を考える
- 復習問題を参考に( )+( )の加法だけの式になおす
- 和を求める
以上からこの式は「2つの項の和を求めると計算できる」ということに気付かせます。
パターン2:減法の式
例として 3-8 という減法の式を計算します。
- この式の項を考える
- 復習問題を参考に( )+( )の加法だけの式になおす
- 和を求める
以上から減法の式においても、項と項の間に “ 加法の記号 +( たす )” が隠れていると考えることで、パターン1と同様に「2つの項の和を求めると計算できる」ということに気付かせます。
パターン3:加法と減法の混じった式
例として 3-8+5 という加法と減法の混じった式を計算します。
- この式の項を考える
- 復習問題を参考に( )+( )+( )の加法だけの式になおす
- 和を求める
以上から加法と減法の混じった式においても、項と項の間に “ 加法の記号 +( たす )” が隠れていると考えることで、パターン1と同様に「3つの項の和を求めると計算できる」ということに気付かせます。
これらのステップを経て
項だけを並べた式は、その式のすべての項の和を求めることで計算できる
ということに気付かせたいです。
ここは先に学習班での協働学習を行い、そのあとに授業者による講義形式での説明に切り替えて進めても良いですし
※教師用ワークシートをTV等で表示すれば板書の必要がなくなります
生徒の実態に応じて授業者は説明せず、2⃣ と 3⃣ の活動をひとまとめにし、ここから生徒主体の活動に入ることも良いと思います。
準備:模範解答として教師用ワークシートを教卓や黒板に掲示する
- 4~6人程度の学習班をつくる
- 班の中で自由に意見交換しながら各自問題を解き進める
- 残り時間を意識しながら各自のタイミングで模範解答を確認する
- 「振り返り」をする
- 予習や問題集に取り組みながら班で困っている人のサポートをする
- 教科書や一人一台端末などを必要に応じて自由に活用させます。
- 班活動に対して意欲的でない生徒がいても、他者との関わりを強制することはしません。個人でじっくり問題と向き合う姿勢も認めたいです。
私は少々難があっても、できるだけ授業者の解説は行わず、すぐ生徒主体の活動に入ることを意識しています。(意図的不親切)
意外となんとかなるもんだよね。
3⃣ 部分的に( )が使われている式を計算する(班)
2⃣ で学んだ「項だけを並べた式」の性質を活かし、発展問題として “部分的に( )が使われている式” を計算します。
そのための要素として
- 与えられた式を加法だけの式になおす
- ① の式を項だけを並べた式に表す
- ② の式におけるすべての項の和を求めて計算する
以上の3つを取り入れました。
学習形態は学習班での協働学習をベースにします。
※基本的な流れは【展開:2⃣ 項だけを並べた式を計算する】の「生徒主体の活動の流れ」をご参照ください
まとめ
本時の授業のポイントとして
- 項だけを並べた式は、項と項の間に “ 加法の記号 +( たす )” が隠れていると考えると、どの式も 加法だけの式 としてみることができる
- 項だけを並べた式は、その式のすべての項の和を求めることで計算できる
- これからは「項だけを並べた式」が式の基本的な表し方になる
以上を全体で簡単に確認します。
そして最後に、次時の授業では「項だけを並べた式をくふうして計算すること」について考えることを予告します。
残りの時間は各自振り返りや予習、問題集を解いて授業終了です。
おつかれさまでしたっ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。
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