今回は正負の数の加法について考えます。
いよいよ本格的に計算が始まるね。
※ここでご紹介させていただくものは、再現性を高め、先生方の授業準備にかかる負担を軽減することを最優先に作成しておりますので、あらかじめご了承ください。
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このブログを初めてご覧になられた先生は、下のリンクから私が普段大切にしている授業づくりに対する基本的な考え方も合わせてご覧いただけますと幸いです。
全体像
前時は
- 正負の数を使って「反対の性質をもつ量」を表す
- 正負の数を使って「基準とのちがい」を表す
- 正負の数を使って“ある状態”を2つの異なることばで表す
というステップで授業を構成しました。
これを踏まえ、本時は
- 正負の数の加法について「数直線」を使って考える
- 加法の計算方法について「絶対値」を使って考える
というステップで授業を構成します。
導入
1⃣ 復習問題(個人→一斉)
復習問題として前時の学習内容に関する問題を出題しています。
また、本時の学習で扱う“絶対値”についても簡単に確認できるようにしました。
学習形態はまず生徒個人で考えさせ、そのあと全体で確認する流れをとります。
ここはあまり時間をかけず後半の活動に余裕を持たせたいですね。
時間をかけるところと、そうでないところのメリハリを意識しましょう。
今日のめあて
前時の授業内容を簡単に振り返りつつ
「例えば、+3 と -5 をたすとどんな数になるだろうか?」
という授業者の問いかけから、本時のめあて
「正負の数のたし算について考えてみよう。」
に繋げていきます。
展開
2⃣ 用語の確認(一斉)
「加法」と「和」の意味について確認します。
同時に、加法には「同符号の加法」と「異符号の加法」という2つのパターンが存在することを説明し、それぞれの例についても簡単に確認します。
ここは授業者が生徒に質問しながら、それに対する生徒の反応をもとに講義形式で説明していきます。
※教師用ワークシートをTV等で表示すれば板書の必要がなくなります
3⃣ 正負の数の加法について「数直線」を使って考える(一斉→班)
ワークシートの数直線をTV等で表示し、それを使って同符号の加法を「同じ方向への移動」として捉えさせます。
また留意点として、以下についても簡単に確認します。
- 式の読み方
- 小学校で学んだたし算との関連
- 演算記号と( )の使い方
学習形態は、はじめの「正の数同士の加法」のみ全体で確認し、そのあとの「負の数同士の加法」から 4⃣ まで生徒主体の活動で進めます。
準備:模範解答として教師用ワークシートを教卓や黒板に掲示する
- 4~6人程度の学習班をつくる
- 班の中で自由に意見交換しながら各自問題を解き進める
- 残り時間を意識しながら各自のタイミングで模範解答を確認する
- 「振り返り」をする
- 予習や問題集に取り組みながら班で困っている人のサポートをする
- 教科書や一人一台端末などを必要に応じて自由に活用させます。
- 班活動に対して意欲的でない生徒がいても、他者との関わりを強制することはしません。個人でじっくり問題と向き合う姿勢も認めたいです。
私は少々難があっても、できるだけ授業者の解説は行わず、すぐ生徒主体の活動に入ることを意識しています。(意図的不親切)
意外となんとかなるもんだよね。
4⃣ 加法の計算方法について「絶対値」を使って考える(班→一斉)
ここでは、(-100)+(-50)などの計算問題を出題しています。
これは、ここまでの数直線のメモリを数えて和を求める方法より、“絶対値を使うことでより効率的に和を求めることができる” ということに気付かせるためです。
学習形態は 3⃣ に引き続き、学習班での協働学習をベースにします。
授業終了時刻が近づいてきたら、必要に応じて「加法の計算方法」について全体で簡単に確認します。
ただし問題の解説は行いません。これは生徒の主体性を損なわせないための「意図的不親切」です。
絶対値の大小は復習問題と関連付けることができるね。
まとめ
本時の授業のポイントとして
- たし算のことを “加法” といい、その結果を “和” という
- 「同符号の加法」は同じ方向に進むので、絶対値をたす
- 「異符号の加法」は逆の方向に進むので、絶対値をひく
以上を全体で簡単に確認します。
そして最後に、次時の授業では「正負の数の加法をくふうして計算すること」について考えることを予告します。
残りの時間は各自振り返りや予習、問題集を解いて授業終了です。
おつかれさまでしたっ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。
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