安定した学級運営をしていくために、ルールは必要です。
しかし、具体的にどんなルールを示せばよいのか・・・。
今回は私が毎年学級開きで生徒に示す3つのルールと、そのポイントについてまとめてみたいと思います。
トラブルが起きたらその時に指導すればいいんじゃないの?
もちろん臨機応変な対応は大事。でもあらかじめ「1年間これを守ろう!」というルールを明確にすることで、トラブルの予防に繋がると思うよ。
本記事の基になっている資料です。印刷してすぐご使用いただけます。
↑ クリック
※ご紹介しますのは個人の実践に基づく見解ですので、予めご了承ください。少しでも先生方のご参考になれば幸いです。
ルールの決め方について
今回ご紹介するものは細分化された具体的なルールではなく、その大元になる学級運営の大原則のようなもので、私はそれを学級訓と呼んでいます。
私の場合、学級訓は「自分が1年間、生徒に徹底させられるものを3つまで」と決めています。
数が多いと私自身が把握しきれず、それによって指導に抜けが生じると生徒のルールに対する意識が低くなってしまうと思うからです。
なので「これだけは絶対守らせる!!」というものを3つ程度にしぼり、生徒も暗記できるぐらい分かりやすくまとめます。
ルールの決め方については、生徒同士の話し合いによって決めるという方法もありますが、ここで示すルールは学級運営の根幹を成すものなので、あらかじめ担任が決めた方がよいと考えます。
当然これから生活する上でより細かなルールは必要になってきますが、特に担任が重視していることとして学期始めに生徒へ示します。
学級訓の例
- いじめをしない、させない、見逃さない
- 自分の仕事を完璧にやり通す
- 掃除、整理整頓の徹底
これまで何度も改良し、この3つに落ち着きました。
生徒に示した以上、妥協せず、最後まで徹底させる ことが重要です。
そうした意味で「友達と協力(仲良く)する」や「ことわざ」などのように、できたかできなかったかの基準があいまいになりやすいものや、結果が他者に左右されるものについては除き、個人が集団のために努力すべき最低限の事項を示すことにこだわりました。
いじめをしない、させない、見逃さない
「いじめを見逃さない」とは、嫌な気持ちを我慢しない、いじめを見つけたら大人に相談するということです。
担任として「絶対にいじめは認めない」という強固な姿勢を示すとともに、もしいじめが発生した場合の具体的な対応についても説明します。
学期始めという1年間の土台を作るこの機会に、あらためて「いじめ」についてクラス全体で考え、普段からいじめが起きにくい環境をつくること、いじめを許さない雰囲気をつくることの大切さを理解させます。
そして、その達成のためにはクラス全員の協力が必要であることも強く訴えます。
自分の仕事を完璧にやり通す
仕事には係や委員会の仕事だけでなく、日直や給食当番、提出物の期日を守る ことも含まれます。
特に提出物に関しては、受験時の書類などを引き合いに出し、期日を守らないと周囲に大きな迷惑をかけたり、自分自身の信用を失墜させたりする危険性があることを強く伝えます。
私は提出物について
- できる限り期日の1日前に提出すること
→期日に欠席したり、書類に不備があったりした時のため - 提出前に不備が無いか生徒自身で最終チェックをすること
→親まかせにしない - もし忘れた場合はいつまでに提出するのか自分から言うこと
→基本的に次の日の朝一で職員室に持ってくる
以上を徹底させています。
提出物を期限までに出せないことが続く場合、保護者連絡もします。
それだけ期日を守り、計画的に行動することが重要だと考えているからです。
もちろん係や委員会の仕事、当番活動も徹底させます。
個人が責任持って自分の仕事を全うすることで、集団生活はより快適なものになります。
自分の仕事をやり抜くことを通して、全員が学級にとって必要な人になってほしい と思います。
掃除、整理整頓の徹底
キーワードは、「全員で協力し・すばやく・丁寧に」 です。
「自分の仕事を完璧にやり通す」と共通する部分がありますが、特に掃除に関しては気が緩みやすく、生徒の精神安定上重要なものなので分けて示しました。
たしかに、物が散乱している教室では落ち着いて生活ができないね。
また、ロッカーの中を整理整頓する、床に物を置かない、など普段から「教室は自分だけのスペースではない」「常に場所や物を誰かと共有している」という 他者への意識 を持たせることで、いじめ防止にもつながっていくと考えています。
ちなみに私の場合、ロッカー内の整理整頓のため生徒にブックスタンドの持参をお願いしています。
まとめ
ここまで、私が学級開きの際に生徒へ示している学級運営の大原則「学級訓」についてまとめさせていただきました。
集団のルールは、初めにゆるく設定し、徐々に厳しくしていくというやり方だと生徒は不満を感じやすくなるそうです。(Q-Uの講習会で学びました)
この先1年間の安定した学級運営を実現させるため、綿密な準備のもと、学級開きという最大のチャンスを生かしていきたいです。
また、大切なのはルールを作ることではなく、作ったルールを全員に守らせること です。
そのためにも思いを込めた学級訓を設定し、常に生徒の目に入る位置に大きく掲げ、日々粘り強く指導していくことが必要だと思っています。
※よろしければ下の黒板ゾーンにある今回の付録プリント『学級訓(学級運営の大原則)について 』もあわせてご活用ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。
本記事の基になっている資料です。印刷してすぐご使用いただけます。
↑ クリック