準備物:ワークシート(下のPDF資料)、筆記用具、家庭学習に使用する教材、考査日までの予定表
考査前になると、学活などの時間を使って学習計画表を作成することがあると思います。
しかし、学習計画を立てることに慣れていない生徒は、目標が曖昧になったり、実行不可能な計画を立ててしまったりすることがあります。
「せっかく計画を立てさせるなら、その他の活動にもつながるような意義のある活動にしたいっ!」
今回はそうした思いを込めて自作した、オリジナルの学習計画表をご紹介させていただき、実際に運用する際のポイントも含めてまとめてみたいと思います。
学習計画表は書かせていたけど、指導はしていなかったなぁ。
難しいことは考えず、とにかく机に向かえば良いんじゃない?
勉強と筋トレは同じだよ?
急にどうした?
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※ご紹介しますのは個人の実践に基づく見解ですので、予めご了承ください。少しでも先生方のご参考になれば幸いです。
学習計画を立てることの意義
今回ご紹介する学習計画表の具体的な活用ステップは以下の通りです。
- ステップ1:目標を決める
- ステップ2:使える時間を把握する
- ステップ3:何をどれだけどうやって勉強するか決める
- ステップ4:タスクに優先順位をつける
- ステップ5:タスクを日割りする
- ステップ6:タスクをこなす
- ステップ7:結果と過程を評価して改善策を検討する
学習計画表を作成することについて、「面倒くさい」「点数が取れれば必要ない」と考える生徒は少なくないと思います。
しかしこうしたステップを踏むことは、部活動やその他の活動、あるいは 社会に出て仕事をするときにも生かされる ものだと考えています。
よって私の場合、初めて学習計画表を作成する際には以下を生徒たちに伝えるようにしています。
- 高校入試のように広範囲の試験対策は、行き当たりばったりの学習では通用しない
- 計画的に学習を進めていないと、「何をどう勉強すれば良いかわからない」という状態になりやすく、とても効率が悪い
- 目標とその達成に向けた計画を立て、実行し、その結果と過程を評価して次の学習計画に生かしていく・・・。
- この工程を繰り返すことで、より自分に合った学習ができるようになり、効率よく目標に近づいていくことができる
- こうした取り組みは勉強だけでなく、部活動やその他の活動にも応用させることができる
学習計画表の活用を通して、目標に向かって効率よく努力していく力をつけてほしいですね。
学習目標の立て方
定期考査における目標は、数字を入れるなど具体的かつ短くまとめ、考査後に 達成できたかどうか明確に判定できるもの を推奨しています。
例えば、「偏差値〇を超える」「学年で〇位以内に入る」「全教科〇点以上とる」といったものです。
一方で「○時間以上勉強する」などのように、勉強時間にフォーカスした目標設定は避けるようにしていました。(その理由については後述)
また、「最後まであきらめずに頑張る」「ケアレスミスをしない」「計画通りに勉強する」なども目標としては適さないことを全体で確認しています。
目標は過程ではなく、結果について設定することが重要ってことね。
「何時間やるか」ではなく「何をやるか」
私が以前まで使用していた学習計画表に、朝から夜までの時系列で「どの教科に何時間使うか」を割り振らせるものがありました。
しかしこのタイプでは勉強する時間に意識がいきがちで、振り返りをしても
「数学の点数が良くなかったので、次は数学の勉強時間を増やす」
といった反省で終わってしまい、‟具体的にどう行動を改善していくか” まで深められないことがありました。
こうしたことから、学習計画を立てる際は「何時間勉強するか」ではなく 「何をどれだけ、どう勉強するか」 に重点を置くよう、事前に生徒へ説明するようにしています。
「勉強と筋トレは同じ」ってそういう意味ね。
結果と過程の評価および改善
定期考査の結果が出たら、必ず振り返りの機会を設定します。
評価のポイントとしては以下があげられます。
- 目標を達成の成否を判定する
- 目標や計画に無理がなかったか検討する
- 計画や日々の学習で無駄がなかったか検討する
- 計画や日々の学習でさらに効率良くできることを検討する
- 検討結果を記録して次の学習計画表作成時に反映させる
ただし自分で改善策を練るということは、慣れていない生徒にとって容易なことではありません。
よって適宜担任がサポートしていくことになるのですが、私の場合、答案用紙と学習計画表を持って教科担当の先生にアドバイスを求めに行くことも積極的に勧めていました。
このタイミングで個人面談するのもアリですね。
また、学習計画表を 三者面談時にも活用 することで、担任・生徒・保護者でより良い学習方法を一緒に検討することができますし、保護者の方に家庭学習への協力をお願いしやすくもなります。
そのほか学活などの時間に「学習に関するお悩み相談会」を開催すると、そこで気づいたことを次の学習計画に生かそうとする生徒が現れるかもしれません。
※「学習に関するお悩み相談会」については別記事にてまとめましたので、よろしければ下のリンクよりご覧ください。
まとめ
ここまで、学習計画の立て方とそれに関連する指導のポイントについてご紹介させていただきましたが、中には塾などで学習を管理されていて、あらためて計画を立てる必要のない生徒がいる場合もあると思います。
また、全生徒分の計画表を毎日チェックして指導していくことは、忙しい担任の先生方にとって大きな負担となる可能性もあります。
よって、提案させていただいた学習計画表には担任チェック欄がありますが、個人的には全員が毎日計画表を担任の先生に提出する必要はないと思っています。
計画表の作成はあくまで学習に対して困り感のある生徒を対象とし、必要な生徒に必要な指導を行っていく ことで教員側の負担を少なくし、効率良く指導することができるようになると思います。
ただし、初めから提出は任意であると伝えると、指導したい生徒が計画表を提出してくれないという事態が発生してしまうため、最初の定期考査までは全員提出にして、その後の三者面談等で計画表の提出継続を生徒と保護者に提案し、家庭と連携しながら指導が必要な生徒を重点的に指導していく ことがよいと考えています。
※よろしければ下の黒板ゾーンにある今回の付録プリント『定期考査に向けた学習計画表』もあわせてご活用ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。
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