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大阪府・市が公立学校における部活動指導員を募集! 気になる給与や勤務条件について

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部活動の地域移行については全国的なニュースになりましたが、未だ不透明なところや多くの課題が残されています。

そんな中、大阪府と大阪市が令和6・7年度の公立学校部活動指導員を募集していたので、今回はその募集案内の内容について私個人の感想を交えながらご紹介したいと思います。

かわうそ先生
かわうそ先生

あまりイメージは沸かないけど、部活動の地域移行はかなり大きな改革だよね。

もんT
もんT

生徒と教員、どちらにとってもメリットのある改革になってほしいね。

お知らせ

この記事は大阪府と大阪市の各ホームページを参考に作成しました。
(それぞれのリンクは、ページ下部にご用意しています)

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募集人数と職務内容

今回、大阪府と大阪市ではそれぞれの管轄内にある公立学校の部活動について、どちらも人数の制限なく指導員を募集しています。

※大阪府は主に高等学校、大阪市は中学校の部活動指導員を募集しています。

大阪府における職務内容について

大阪府では「部活動指導員は学校における教員の時間外勤務の削減及び負担軽減が図られるよう、当該部活動を担当する教員と連携し、校長の適切な管理及び指導のもと、次の ① から ⑨ に掲げる業務を行う。」として

  1. 実技指導
  2. 安全・傷害予防に関する知識、技能の指導
  3. 学校外での活動(大会・練習試合等)の引率
  4. 用具・施設の点検、管理
  5. 部活動の管理運営(会計管理等)
  6. 保護者等への連絡
  7. 年間・月間指導計画の作成
  8. 生徒指導に係る対応
  9. 事故が発生した場合の対応

以上9項目の具体的な職務内容が示されました。

大阪市における職務内容について

大阪市では「部活動指導員は、部活動において、校長の監督を受け、以下の技術的な指導等に従事する。」として

  1. 実技指導
  2. 安全・障害予防に関する知識・技能の指導
  3. 学校外での活動(大会・発表会等)の引率
  4. 用具・施設の点検・管理
  5. 部活動の管理運営
  6. 保護者等への連絡
  7. 生徒指導に係る対応
  8. 事故が発生した場合の現場対応等

以上8項目の具体的な職務内容が示されました。

※大阪市では20歳未満の専門学校生や大学生について「実技指導以外の職務全般について、顧問教諭もしくは担当教諭と常に連携を図り、一定の経験を積み、学校長が承認した場合、単独で従事することができる。」としています。

違いとして大阪市の職務内容には「年間・月間指導計画の作成」が入っていませんでした。

ただ、それぞれに示されたどの業務も部活動を運営する上で必須になるものですし、特に ③「学校外での活動の引率」⑥「保護者等への連絡」はとても助かります。

我々教員は日々の業務にプラスしてこれら全てを行っていたわけなので、改めてその負担の大きさを感じました。

私自身はその競技の専門部(大会までの各種準備や当日の運営などを無給で遂行する先生方の集まり)に所属していたので、自分が顧問を務める部活動の運営だけでなく、学校間や大会時借用施設とのやり取り、備品の発注や管理、大会運営方法の検討など、市および県全体の運営にも携わっていました

特に時間のかかる「審判員の依頼とその配置表の作成」をするときは、同じ専門部所属の先生方と職員室でカップラーメンをすすりながらよく深夜まで作業をしたものです。

もんT
もんT

正直、かなりしんどかったです。

そこまで時間をかけたのに大会当日は審判員として動かなければならないため、3年間関わってきた生徒たちの試合を見られない時も多々あり、悔しい思いもしました。

各種大会を実施するために専門部に所属する先生方の存在は不可欠ですが、その負担は大変大きいものです。そうしたことも世間から理解され、少しずつでも改善されることを願っています。

勤務条件

大阪府における勤務条件について

  • 報酬:時間額1,600円
  • 勤務時間:休憩時間を除いて1日につき7時間45分、1週間につき29時間を超えない範囲
  • 休暇:年次休暇、その他特別休暇
  • 災害補償:労働者災害補償保険法の定めるところによる
  • 交通費:実費弁償
  • その他:地方公務員法の定める服務に関する規定(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務、信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、職務に専念する義務等)が適用される
ちょっと確認
  • 年次休暇=年度ごとに定められた有給休暇
  • 実費弁償=定額制ではなく、業務遂行のため実際にかかった金額の範囲内でその費用を補償する制度のこと

大阪市における勤務条件について

  • 報酬:時間額2,597円
  • 勤務時間
    教員の長時間勤務の解消を図ることが目的であることから、運動部活動においては週2日以上、文化部活動においては週1日以上の勤務とし、かつ、同一週における勤務日数の上限は、平日については週4日、土曜日及び日曜日についてはいずれか1日とする
    1日の勤務時間の上限は平日については3時間、土曜日及び日曜日については4時間とし、月当たり60時間以内とする
  • 休暇:年次休暇、その他特別休暇
  • 災害補償:非常勤職員公務災害等補償条例または労働者災害補償保険法の定めるところによる(どちらが適用になるかは勤務する事業所で決まる)
  • 交通費:別途実費に応じて支給(上限あり)
  • 社会保険:雇用保険法および健康保険法の定めるところにより、その勤務形態に応じて取り扱う
  • その他
    地方公務員法に規定する服務及び懲戒に関する規程の対象となる
    営利企業への従事(兼業)は可能だが、その場合でも職務専念義務や信用失墜行為の禁止等の服務規律については適用となる

大阪府と大阪市それぞれのホームページでは、上記のような勤務条件が提示されていました。

比較すると、大阪市は大阪府と比べて勤務日の最低ラインに関する縛りがありますね。

そして何より・・・

時給2,597円っ!!!

これは現職で部活動顧問をされている先生なら、とても魅力的に感じたかもしれません。

(ちなみに私の自治体と比較すると、休日約3時間分の手当に相当します…)

私の場合、休日における大会引率は手当が支給されますが、会場までの交通費は支給されないため、県大会などの引率は丸1日活動しても高速代と昼食代を出費してトントンでした…(手当が支給されるのは最大4時間分まで)

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応募資格

大阪府と大阪市ではどちらも

  1. 部活動指導員の人材バンクへ登録
  2. 登録した情報と学校側の配置希望条件が一致
  3. 校長先生による選考

という3つのステップを経て勤務が認められるようになっています。

大阪府における応募資格について

大阪府では「指導員の資格は、次の(1)から(4)をすべて満たすものとする。」として

  1. 18歳以上である者(高校卒程度)
  2. 地方公務員法第16条の各号のいずれにも該当しない者
  3. 当該部活動の実技指導に高い技術と指導力を有する
  4. 当該学校の部活動方針を理解し、指導に対して熱意を有する者であり、以下の①から④のいずれかを満たす者
    ①教員の経験がある者
    ②学校での部活動の指導経験がある者(外部指導者等)
    ③当該専門分野の指導者資格を有する者
    ④当該専門分野の経験や指導経験が通算6年以上ある者

以上4項目の応募資格が示されました。

大阪市における応募資格について

大阪市では「指導する運動部活動及び文化部活動に係る専門的な知識・技能に加え、学校教
育に関する十分な理解を有する者で、次の(1)から(5)の各号の資格要件のいずれかに該当する18歳以上(高校卒程度)の者とします。」として

  1. 学校現場に勤務している会計年度任用職員
  2. 教員免許を取得しており、該当する種目等における児童生徒への指導実績を有する者
  3. 公益財団法人日本スポーツ協会又は各競技団体や関係団体等が認定する指導者資格を取得しており、かつ、当該資格に基づく児童生徒への指導実績を有する者
  4. 自らが該当する種目等の経験を持ち、児童生徒への指導実績がある地域等の人材で、該当する団体の代表等から部活動指導員として適格であると推薦された者
  5. 高等学校卒業程度の資格を有し、専門学校、大学もしくは大学院に在籍しており、自らが該当する種目等の経験を持ち、児童生徒への指導実績がある人材で、出身学校、専門学校、大学の関係者等から部活動指導員として適格であると推薦された者

以上5項目の応募資格が示されました。

これらのことから大阪府と大阪市は部活動指導員に対して、競技に関する専門性だけでなく 一定の指導力も求めていることがわかります。

指導実績のある方にお任せできることは、教員だけでなく生徒や保護者にとっても安心につながるのではないでしょうか。

自分が未経験の競技の顧問になることは、大変な負担感があります。
そうした意味で経験のある方にサポートしていただけるのはとても心強いですし、生徒の立場から見ても専門的な指導を受けられることは大きなメリットですね。

まとめ

ここまで、大阪府・市立学校における部活動指導員の募集案内についてご紹介させていただきましたが、地方を見てみるとまだまだ改革が進んでいない現状があります。

特に一番の課題となるのは「指導者の確保」であり、これには必ず地域格差が生じます。

こうしたことを受け大阪府では、府立高校の部活動について近隣の学校が合同で部活動を実施する「複数校1部活制」に関するガイドラインが示されました。

一筋縄ではいかない難しい課題ではありますが、部活動改革の更なる進展に期待し今後の動向も注視していきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。

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※この記事は大阪府と大阪市の各ホームページ内にある下記ページを参考に作成しました。

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現役教員 × ブロガー 30代
公立中学校教諭として8年間勤め、現在は私立学校の教員として勤務。教員免許は通信課程で取得。サウナと沖縄が好き。映画は邦画派。元保育士。FP3級。
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