前回は「項だけを並べた式」を実際に計算したね。
今回はその「項だけを並べた式」を工夫して計算していくよ。
※ここでご紹介させていただくものは、再現性を高め、先生方の授業準備にかかる負担を軽減することを最優先に作成しておりますので、あらかじめご了承ください。
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このブログを初めてご覧になられた先生は、下のリンクから私が普段大切にしている授業づくりに対する基本的な考え方も合わせてご覧いただけますと幸いです。
全体像
前時は
- 項だけを並べた式について、加法・減法それぞれの場合で計算方法を考える
- 項だけを並べた式について、加法と減法の混じった式の計算方法を考える
- 部分的に( )が使われている式の計算方法を考える
というステップで授業を構成しました。
これを踏まえ、本時は
- 加法の交換法則と結合法則について確認する
- 項だけを並べた式を工夫して計算することについて考える
- 加法の交換法則と結合法則を使って項だけを並べた式を工夫して計算する
というステップで授業を構成します。
導入
1⃣ 復習問題(個人→一斉)
復習問題として前時の学習内容に関する問題を出題しています。
今回の復習問題はここまで学んできた「項だけを並べた式」について、じっくり確認できるよう通常より設題数を増やしました。
内容として
- ( )を使った式を、項だけを並べた式に表す
- 項だけを並べた式の計算方法について確認する
- 項だけを並べた式を計算する
以上の3つを扱っています。
また、本時の学習で扱う “加法の交換法則と結合法則” に関連付けられる問題として
①和の絶対値が100になる項の組み合わせ や、
②和が0になる項の組み合わせ
が含まれた式の計算も出題しています。
学習形態はまず生徒個人で考えさせ、そのあと全体で確認する流れをとります。
「部分的に( )が使われている式」は混乱しやすいところなので、今回は時間をかけて丁寧に確認しましょう。
今日のめあて
前時の授業内容を簡単に振り返りつつ
「例えば、復習問題の -77+19-23 はくふうして計算できないかな?」
という授業者の問いかけから、本時のめあて
「項だけを並べた式をくふうして計算することについて考えてみよう。」
に繋げていきます。
展開
2⃣ 用語の確認(一斉)
「加法の交換法則」と「加法の結合法則」の意味について確認します。
ここは具体例を交えながら、授業者が講義形式で説明します。
復習問題と関連付けながら、「加法の交換法則・結合法則」の有用性を実感させたいです。
あんたカレーライスで例えるヤツ、好きね。
これを思いついたときは、全身に電気が流れましたっ!
3⃣ 項だけを並べた式を工夫して計算することについて考える(個人→周囲→一斉)
ここでは
- 同符号の項同士をまとめて計算する
- 絶対値が同じで符号が異なる項同士をまとめて計算する(和が0になる)
以上2つのパターンで工夫できる例題を出題しました。
※ちなみにここで出題している式は、既習内容である「正負の数⑥:加法の交換法則と結合法則」内で出題した式を “項だけを並べた式” になおしたものです。
項だけを並べた式の計算においても、加法の交換法則と結合法則が使えることを確認するため、復習問題と関連付けながら一度( )を使った式に戻して考えるとよいと思います。
学習形態はまず個人で考え、できた人から周囲と自由に確認し合い、最後に全体で共有します。
※教師用ワークシートをTV等で表示すれば板書の必要がなくなります
また、生徒の実態に応じて授業者は解説せず、3⃣ と 4⃣ の活動をひとまとめにしてここから生徒主体の活動に入ることも良いと思います。
準備:模範解答として教師用ワークシートを教卓や黒板に掲示する
- 4~6人程度の学習班をつくる
- 班の中で自由に意見交換しながら各自問題を解き進める
- 残り時間を意識しながら各自のタイミングで模範解答を確認する
- 「振り返り」をする
- 予習や問題集に取り組みながら班で困っている人のサポートをする
- 教科書や一人一台端末などを必要に応じて自由に活用させます。
- 班活動に対して意欲的でない生徒がいても、他者との関わりを強制することはしません。個人でじっくり問題と向き合う姿勢も認めたいです。
つまずいている生徒には、以前学習した「正負の数⑥:加法の交換法則と結合法則」のワークシートを参照するよう促すとよいと思います。
4⃣ 加法の交換法則と結合法則を使って項だけを並べた式を工夫して計算する(班→一斉)
3⃣ で学んだ「加法の交換法則と結合法則」の性質を活かし、実際に項だけを並べた式を工夫して計算します。
ここでも
- 同符号の項同士をまとめて計算する
- 絶対値が同じで符号が異なる項同士をまとめて計算する(和が0になる)
以上2つのパターンに対応した問題を出題しました。
学習形態は学習班での協働学習をベースにします。
※基本的な流れは【展開:3⃣ 項だけを並べた式を工夫して計算することについて考える】の「生徒主体の活動の流れ」をご参照ください
※ちなみにここで出題している式も、既習内容である「正負の数⑥:加法の交換法則と結合法則」内で出題した式を “項だけを並べた式” になおしたものです。
最後に伏線回収として、時間に余裕があれば -77+19-23 の計算方法を全体で確認するのもよいと思います。
以前学んだ内容と今回の内容を見比べながら学習できるのはいいよね。
まとめ
本時の授業のポイントとして
- 項だけを並べた式はすべての項の和を求めると計算できるから、「加法だけの式」とみることで加法の交換法則と結合法則が使えるようになる
- 加法の交換法則を使うと、項の位置を変えることができる
- 加法の結合法則を使うと、計算の順序を変えることができる
- 加法の交換法則と結合法則を使うと、項だけを並べた式を工夫して計算することができる
以上を全体で簡単に確認します。
そして最後に、次時の授業では「正負の数のかけ算」について考えることを予告します。
残りの時間は各自振り返りや予習、問題集を解いて授業終了です。
おつかれさまでしたっ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日々走り続ける全国の先生方へ、敬意を込めて。
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